(毎月22日配信・無料) 【ポーランド】 同性愛者の差別的取扱撲滅キャンペーンをめぐる騒動

同性愛者の存在を国民に広く認識してもらうために作成されたキャンペーン用の ポスターが、わずか1週間足らずでカトリック教会のクレームから撤去される騒ぎが起きている。 問題となったのは、スウェーデン大使館とデンマーク大使館からの協力を得て作成されたポスターで、 「Let them see us」をスローガンに、男性カップルや女性カップルが情愛深いポーズを とっているというもの。キャンペーンはおよそ90日間にわたり、 ポーランド市内や全国の販売店などを通じて展開されるはずだった。

今回のキャンペーンを手がけたカロリナ・ブレグラさん(24)は、 国民的な議論が巻き起こったこと自体が、キャンペーンの成功を意味していると指摘。 「わたしたち同性愛者はこの国において“最大の少数派”であり、長い間わたしたちの イメージはゆがめられてきました。今回初めて、同性愛者が“普通の人々”で あることが示されたのです」と語っている。

ポーランドは1991年にECと連合協定を結び、2004年にEU正式加盟を果たす予定になっている。 EUは、同性愛者にも異性愛者と同様の権利を与えるように、 加盟各国に対して要請していることから、同性愛者の人権意識が極めて低い国内のカトリック系保守派勢力を、 政府が今後どのように説得していくのかが注目される。


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