中世イタリア・ルネッサンス期の天才芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチに、
息子がいたという説を、ダ・ヴィンチの出身地フィレンツェの学者が発表し、
論議をよんでいる。
この説を発表したのは、イデアル博物館の館長をつとめる、アレッサンドロ・
ヴェッツォーシ氏。同氏によると、1479年、ボローニャの貴族、ジョヴァンニ・
ベンティヴォリオが、フィレンツェの名士ロレンツォ・デ・メディチ(当時、ダ・
ヴィンチの最大のパトロンだった人物)に送った手紙の中に、「ヴィンチ出
身でフィレンツェ在住のレオナルド」に、「パウロ」という名の10才になる息子
の存在を発見したという。これが事実であれば、ダ・ヴィンチは17才のときに、
父親になった計算になる。
ヴェッツォーシ氏は、「この手紙だけで決め付けるわけにはいかないが、
人口わずか1000人の村で、メディチ家などの名家と親しかったレオナルドと
いえば、ダ・ヴィンチ以外に考えられない。子どもを描いた彼の作品や、
1506年にダ・ヴィンチに甥が誕生したときに、兄弟宛てに書いた手紙の
内容などから考えても、ダ・ヴィンチは父親になった経験があると推定
できる」と、主張している。
ダ・ヴィンチは1476年、異常性行為で裁判にかけられた記録もあり、
歴史家の間では、「ダ・ヴィンチは同性愛者」というのが通説となっていた。
|milk vol.34 2000/09/22 |home|2000 |