【ドイツ】連邦議会・同性愛カップルの結婚認める法案が可決
ドイツ連邦議会(下院)は11月10日、同性愛者のカップルに男女の夫婦と同様の法的権利を認める関連法案を連立与党の社会民主党と90年連合・緑の党の賛成多数で可決した。与党のボルカー・ベック議員は、「わが国の同性愛者にとって記念すべき日です。今日から同性愛者は差別や偏見を持って見られることはないのです」と語った。緑の党の議員らは連邦議会での採択後、ウェディングケーキにナイフを入れて法案成立を祝福した。同法案は来年より施行される。

法案によると、同性愛カップルが居住する自治体の戸籍役場で夫婦登録することを認めるほか、配偶者手当てや扶養義務、健康保険や医療介護保険、賃貸契約など幅広く男女の夫婦と同様の扱いを受けることになる。連邦参議院の可決を待たなければならないが、戸籍に記載させたり、税制法上、社会福祉法上も夫婦と同様の権利を与えるとしている。

ドイブラーグメリン法相(社民党)もこの法案を支持している。法相は「まず第1に、差別的待遇を排除することが大切である。第2に、それぞれの生き方を尊重することも大事です。そして第3に、永続的なパートナーとしての継続を要求されるものである」とのべた。

これに対して保守系最大野党のキリスト教民主・社会同盟らは、「同性愛などというものが三大宗教のどれが認めているのか。こんな法案はわれわれの文化を揺るがすもの。家族や社会という概念を冒涜するものである。法案は明らかに違憲だ」と主張し、違憲性調査の手続きをする構えを見せている。


|milk vol.36 2000/11/22 |home2000

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