【国内】埼玉医科大学・学会承認前の93年に性転換手術実施
9月5日、埼玉医科大学(埼玉県毛呂山町)が、男性への性転換を希望する性同一性障害の女性患者に対し、同大倫理委員会の承認前に、事実上の性転換手術を行っていたことが明らかになった。

この患者は、四国地方に住む30代の女性。手術にかかわった原科孝雄・同大形成外科教授は「相談に訪れた本人と両親から懇願され、摘出手術を産婦人科に頼んだ。今から考えると、この摘出手術が性転換手術であると指摘されても仕方ないだろう。」と語った。

性転換手術は欧米で広く行われているが、国内では1969年、東京地裁が男性3人の睾丸摘出手術を行った東京都内の開業医に、生殖を不能にする手術をみだりに行うことを禁じた優生保護法(現母体保護法)違反として、有罪判決を出した。これを乗り越えるため、同大や学会が昨年、ガイドラインを策定、今月11日に手術を行う予定だった。

山内俊雄・埼玉医大副学長(倫理委員長)の話 「全く聞いていなかった。ただ、11日に予定されている性転換手術は、大学の倫理委や日本精神神経学会の審議を経ており、影響は受けない。」(参考記事・ソース:9月6日付読売新聞)


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