(毎月22日配信・無料) 【米】 第57回トニー賞・『Take me out』が最優秀作品賞受賞

第57回トニー賞の授賞式が今月8日夜(日本時間9日午前)、ニューヨークにて行われ、 同性愛者であることをカミングアウトしたメジャーリーグ選手の苦悩を描いた 『Take me out』が最優秀作品賞を受賞した。『Take me out』は、 昨年9月からパブリック・シアターにて開幕し、観客の反響を受けて 公演期間を延長して上演されていたリチャード・グリーンバーグの新作。 作品賞のほか、助演男優賞(デニス・オハラ)、演出賞(ジョー・マンテロ)の2部門も受賞した。 同作品では、主人公のレミングが在籍するチーム「エンパイアズ」がヤンキースを 意識したものになっていたり、レミングの親友の選手をデッドボールで死亡させた投手が、 ホモフォビアという点でジョン・ロッカーと酷似しているなど、現実の野球界と重なる部分も多いことも話題になっていた。

ミュージカル部門では、13部門にノミネートされていたロック・ミュージカル『ヘアスプレー』が 作品賞・主演男優賞(ハーヴェイ・フィアスタイン)・主演女優賞・オリジナル楽曲賞 (マーク・シャイマン、スコット・ウィットマン)など主要8部門を制覇。 主演男優賞に輝いたハーヴェイ・フィアスタインは映画『トーチソング・トリロジー』('88・米)と 同作品の舞台版で主演と脚本を担当。オリジナル楽曲賞に輝いた二人はともに同性愛者で、 パートナーの関係にあるという。例年よりも、同性愛者であることを公言した人たちの活躍が目立った受賞結果となった。

トニー賞とは、米ニューヨークの劇場街・ブロードウェーの秀作を選ぶ賞で、 700人以上の演劇人やジャーナリスト達の投票によって決定される。

□OFFICIAL SITE
https://www.tonyawards.com/


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