シネマライズ他にて7月8日(土)よりロードショー
監督・脚本:キンバリー・ピアース 共同脚本:アンディ・ビーネン 撮影:ジム・デノールト
編集:リー・パーシー 音楽:ネーサン・ラーソン
出演:ヒラリー・スワンク/クロエ・セヴィニー/ピーター・サースガード/他
上映時間:119分 99年・米
□公式ホームページ(ボーイズ・ドント・クライ)
https://www.foxjapan.com/boysdontcry/
□筆者:MITSU 1972年7月生まれ・東京都出身。映画ライターとして東京国際映画祭などの取材を担当。
MILKでは創刊時より映画関連記事を執筆。映画製作、字幕製作などにも携わる
■ストーリー&解説 これは自分らしく生き抜いた、ひとりの女性の物語。
1993年、米・ネブラスカ州リンカーン―。保守的な土地柄から差別的な扱いを受けてきた性同一性障害のブランドン・ティーナ。20才になったブランドンは名前をティーナ・ブランドンと名乗り、町へ向かうことを決意する。
「あの町へ行ったら、同性愛者は皆殺される」、ブランドンはいとこの忠告も顧みず、自分らしさを求めて、フォールズ・シティへと向かった…。
米で実際に起こったセンセーショナルな事件をもとにした悲劇の物語。
事件当時、コロンビア大学院生だったキンバリー・ピアース監督が、5年もの歳月をかけて完成させた長編映画デビュー作。主演は、3年間にわたるオーディションで選ばれたヒラリー・スワンク。ブランドンの恋人役に
扮するのは、『Gummo』などで際立った存在感を見せたクロエ・セヴィニー。
■監督・共同脚本/キンバリー・ピアース
シカゴ大学でイギリス文学と日本文学の修士号、コロンビア大学で映画のMFAを取得。日本にも2年間(1988-89年)の滞在経験あり。コロンビア大学の卒業論文として書いたこの映画の脚本は、実際に舞台となった町へ行き、レズビアンの人や性転換者、ラナにも直接話を聞き、1万ページにも渡る法廷の調書も読んで完成させたもの。以下、5月11日の来日記者会見でのコメント。
「94年にブランドン・ティーナ事件を知り、何て凄い物語なんだと感銘を受けたの。女でありながらトレーラーパークに住み、パンツのなかにソックスを入れて、彼女は男としてのファンタジーを現実に生きていた。さらにブランドンは、それを続けていく勇気を持っていた。当時、事件に関する報道は、どれもセンセーションを狙っただけのものだった。女が男装して、そこに暴力も絡んだ事件で・・・。もちろん、暴力は悪いというのは誰もが知っていること。でも映画はその結論からではなく、「暴力をはたらいた人間は、一体どんな人物なのか」「何が彼らを暴力にかき立てるのか」という観点から事件にいたるまでを描くもの。つまり、暴力が悪いというところから始まるのではなくて、この人たちはどういう人間なのかというところから始めていくのがドラマだと思っているの」
■ブランドン・ティーナ/ヒラリー・スワンク
ワシントン州ベリンガム生まれ。9歳のときから演技を始め、舞台などを
経験。94年に何千人もの候補者の中から「ベスト・キッド4」のヒロイン
役を射止めた。その後、テレビドラマ「ビバリー・ヒルズ青春白書」に、
スティーブのガールフレンド、カーリー・モリー役でレギュラー出演。
そしてこの映画でアカデミー最優秀主演女優賞を獲得、一躍トップ
スターの座についた。以下、アカデミー授賞式でのコメント。
「ありがとう。長い道のりでした。関係者全員の努力がやっと実を結び
ました。200万ドル以下の低予算でオスカー受賞なんて夢のよう。
皆さんに評価していただき心から感謝します。この作品は私の誇りです。
万一に備えて、お世話になった人々の名前を書きました。わずかな
ギャラで心血をそそいだ人々にせめて感謝を。企画を実現させた
キンバリー・ピアーズ監督。そして主人公のモデルとなったブランドン・
ティーナ。私はあなたのことを決して忘れません。あなたの勇気ある
生きざまは、自分に正直に生きなさいと私たちに教えてくれました。
いつの日か互いの違いを祝福し合える日が来ることを願います」
■Sexual Identity Crisis
保安官に取り調べを受けるシーンで、ブランドンは自分のことを、
「Sexual Identity Crisis(=性同一性危機)」という言葉で表現しています。
これは取り調べられたときに実際に本人が使っていた言葉で、
「Sexual Identity Disorder(=障害)」という言葉よりも、こちらの方が
より相応しいということで、そのままとりいれられることになったんだそうです。
アカデミー授賞式のときも、このセリフを言うシーンが使われていた。
■タイトル/ボーイズ・ドント・クライ
タイトルの「ボーイズ・ドント・クライ」は
CUREのファースト・アルバムに収められている同名曲からとったもの。
監督のお気に入りで、作品中にも使われています。
男の子だって泣いてもいいんだよ、というメッセージが込められている。
■主な映画賞受賞歴
□ アカデミー賞・最優秀主演女優賞
□ ゴールデングローブ賞・最優秀主演女優賞
□ ロサンゼルス映画批評家協会賞・最優秀主演女優賞、助演女優賞
□ ボストン映画批評家協会賞・最優秀主演女優賞
□ トロント映画批評家協会賞・最優秀主演女優賞
□ シカゴ映画祭・最優秀主演女優賞
□ ギヨン映画祭(スペイン)・最優秀主演女優賞
□ ストックホルム映画祭・最優秀作品賞、脚本賞、主演女優賞
□ ロンドン映画祭・最優秀作品賞
□ ワシントンDC ゲイ&レズビアン映画祭・最優秀作品賞
□ ニューヨーク映画批評家協会賞・最優秀新人監督賞
□ ナショナル・ボード・オブ・レビュー・最優秀新人監督賞
□ ボストン映画批評家協会賞・最優秀新人監督賞
□ 全米批評家協会賞・最優秀助演女優賞/ほか多数受賞
■MILKCINEMA評価:◎ T:4 S:5 A:5 P:4 M:4 2200円
■評価について
総合評価マークは(◎…劇場へ足を運ぶ価値有り、デートに最適
○…DVDで十分と思った △…テレビで十分と思った ×…駄作)
Tはテンポ、Sはストーリー・脚本、Aはキャスト・演出、Pは映像、
Mは音楽の評価をについて各5段階で評価。(5…かなり評価できた
4…評価できた 3…順当な出来栄えと思った 2…努力が足りないと
感じた 1…完全に手を抜いているように感じた) 評価で20を
超えるか、ひとつでも5があると、◎評価になります
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|milk vol.30 2000/06/22 |home|2000 |