イギリス内務省は先月26日、1885年に制定されてからそれ以来ほとんど変更
されていなかった性犯罪に関する法律の改革を求める諮問書を発表した。
同書は政府から独立した委員会が作成、同性愛男性をターゲットにした
法律は廃止されるべきであるという意見が盛り込まれている。政府は今後、
国民の意見を広く聞いた上で、法制化に向けて準備を進めたいとしている。
今回発表された諮問書によると、次のような改革のための提言を行っている。
1.当事者間の合意の無い性的行為はいかなる場合であれ取り締まらなければ
ならない。この場合、人を性的指向の違いで異なった取り扱いをしてはならない。
また、私的な場面での合意に基づく成人の性的行為を犯罪とみなしてはいけない。
同性間の性行為だけを特別に扱う必要はない。 2.みだらな行いや男色に
対する罪を廃止すべきである。 3.いわゆる路上売春の制限に関する規定は、
性別に関係なく平等でなければならない。
同書の序文でジャック・ストロー内相は、「我々は性別や異なる性的指向の
問題が法律でどのように扱われているのかを調査した。男性も女性も大人も
子供も等しく法的な保護を受ける必要があると考える」と述べた。
今回の改革案は、今年10月よりイギリスでも導入されるヨーロッパ人権会議の
取り決めに対処するために作成されたもの。EUは、成人同士の合意に基づく
私的な性行為は、性別にかかわらず犯罪として扱ってはいけないという方針を
各国に要求していることから、内務省はこれを機に、時代にあった性犯罪
に関する法律の改革を進めたい構えだ。
イギリスの現行法では、公衆の場におけるゲイ同士のいかなる性的な行為を
禁止している。同性間の性行為はその場に第三者がいる場合は、たとえその
第三者が望んでそこにいたとしても犯罪と見なされる。昨年だけでも、この罪に
よって約350人が逮捕されている。
イギリスではつい先日、セクション28の廃止が上院で否決されたばかり。今回提出
された改革案についても、反対派との激しい鬩ぎ合いが展開されるのは間違いない。
|milk vol.33 2000/08/22 |home|2000 |